東武東上線沿線の住みやすさは? 実体験からレビュー

東上線

こんにちは、編集者Mです。私は中学1年から大学4年まで、埼玉県の東武東上線沿線の「坂戸」と「武蔵嵐山」に住んでいました。実家もこのエリアなので、地域のことはよく知っているつもりです。今までに埼玉・東京・神奈川と5度引っ越してきた中で、東武東上線の沿線は住みやすかったか? 利便性や雰囲気はどんな感じだったか? をレビューしていきます。

東上線沿線は、可もなく不可もないが、微妙

成増駅
成増駅

まず結論から申し上げます。東武東上線はぶっちゃけ、可もなく不可もないが、どちらかというと微妙な要素が多いです。東上線沿線に学校や職場があるわけではなく、都内に通勤・通学するために検討しているのであれば、「もっと魅力的な沿線がある」と言いたいのが本音。

ただ池袋~和光市あたりまでは、都内に通勤・通学するならわりと便利で、一人暮らしにも人気です。詳しくご説明していきます。

東上線沿線の魅力

東上線は「池袋まで1本で行ける」が最大のアドバンテージ。住宅街が中心で、華やかさに欠けます。

スーパーやドラッグストアは、どの駅の周辺にもそこそこあるため、日常の買い物はけっこう便利です。でも、「遊ぶために降りるような駅」が、終点の池袋以外にほとんどありません。家賃は比較的安く、暮らしやすいといえばそうですが、いかにも埼玉県っぽい「地域の魅力は少なめ」な沿線です。

東上線エリアはお出かけスポットに乏しいので、池袋まで出かけて遊ぶ人が多いです。

ショッピング・お出かけスポット

東上線沿線には、「池袋」「川越」「ららぽーと富士見」などがあります。

池袋

池袋駅
埼玉県民の庭、池袋駅

言わずと知れた埼玉県民の庭。池袋駅周辺を歩いているのは、大多数が埼玉県民であるとの噂もあります。ファッション、グルメ、家電、さらにはアニメグッズまで、なんでもそろう便利な街です。映画館や水族館、プラネタリウムもあります。

ファッション

サンシャイン、ルミネ、西武・東武デパート、ユニクロ、ZARA、GUなど。プチプラからハイブランドまで豊富です。

家電

ヤマダ電機、ビッグカメラ、ヨドバシカメラの大型店舗があります。

ゲーム

ゲームセンターがあちこちにたくさんあります。ダーツ、トレカなどのお店も。

アニメ

女性向けのアニメグッズや同人誌の専門店が軒を連ねる、「乙女ロード」が有名。とらのあなやアニメイト本店もあり、「オタクの街」「第二の秋葉原」としての顔も持っています。

川越

川越駅
川越駅の改札口はこんな感じ

菓子屋横町

江戸の古い建物が残る小規模な観光地です。焼きたてのせんべいや、さつまいもを使ったお菓子などの食べ歩きができます。東京からアクセスしやすいためか、最近は外部から訪れる人が増えている印象。

クレアモール(略してクレモ)

ゲーゼン・居酒屋・カラオケ・古着屋などのお店が集まる、ショッピング通りです。東上線エリアの中高生は、川越のクレアモールでプリクラを撮ったり、カラオケをしたり、スタバやサーティワンに行ったりして遊ぶのが定番です。規模はノンストップで歩いて10~15分くらい。

ショッピングビル

川越駅から歩いてすぐの「アトレ」と、駅から10分くらい歩いたところにある、クレアモール内の「丸広」です。アトレは若者向け、丸広はマダム向け。でも、どちらも規模・オシャレさともにいまひとつで、キラキラした感じではありません。

ららぽーと富士見

ららぽーと富士見
上空から見たららぽーと富士見付近。周りは田んぼ

鶴瀬駅からバスで6分の場所にあるアウトレットです。でも駅から遠いため、車を持っている人向け。

その他

他にも若葉駅の「若葉ウォーク」、高坂駅の「ピオニーウォーク」、大山駅前の商店街「ハッピーロード大山」などの買い物スポットがあります。でも地域住民向きです。

※ちなみに最近テレビで【西武線VS東上線!】というのがやっていて、「東上線には森林公園がある!」と言っていました。でもここは地域の親子連れが行くような場所で、残念ながら全国的にPRできるスポットではないです(私も子供の頃に行ったっきり)。

電車の本数と混雑度

東上線の時刻表
駅の時刻表

東上線は池袋駅から寄居駅までをつないでいます。でも、ノンストップで寄居まで行く電車はありません。電車の運行区間は以下の通り。途中までしか行かない電車が非常に多いです。下りに住めば住むほど、電車の本数が少なくなり、途中で乗り換える必要が発生します。

  • 池袋~成増
  • 池袋~川越市
  • 池袋~森林公園
  • 池袋~小川町
  • 小川町~寄居

「池袋~成増」を行き来する電車と、その他の区間の電車では、池袋駅でホームが分かれています。「池袋~成増」間はラッシュの時間帯だと、5分に1本くらいのペースで電車が来るため、便利です。

しかし成増より下りは10分に1回くらいなので、都内近郊の電車の中では、ちょっと不便。

さらに森林公園駅より下りは15~20分に1本くらいと、かなり少なくなってくるので、通勤・通学には使いづらいです。

また、東上線には「普通」「準急」「急行」「快速」「快速急行」「通勤急行」など、かなりいろいろな種類の電車があります。豊富な種類の電車が停まる駅ほど、通勤・通学の時間をカットできますが、家賃相場も上がるので一長一短です。

朝の混雑度

通勤ラッシュ

かなり混雑していますが、首都圏の通勤ラッシュの中では、取り立ててひどくありません。

でも、人が降りるのは川越・和光市くらいで、基本的に乗ってくるいっぽうなのが、気分的にしんどいです(人がたくさん降りて電車内が空き、ホッとする瞬間がない。川越・和光市も、降りる人より乗ってくる人のほうが多い)。池袋が近づくにつれ電車の中の空気が重苦しくなっていき、かなり苦痛に感じます。

特に「急行」は、成増~池袋までの数駅で止まらずノンストップなため、具合が悪くなっても降りられないのが少し怖いです。

自分は坂戸駅から池袋駅まで通学していた4年間で、電車の中で突如ブッ倒れてしまうパニック障害を患いました。体調面・精神面で不安を抱えている人は注意してほしいです。

夜の混雑度

夜の駅

夜は帰りの時間がバラけるためか、朝ほど混んでいません。しかし朝と違って、電車の時間に合わせて学校や職場を出るのは難しいため、成増より下りに住んでいると、少ない本数の電車を待つのがストレスです。

池袋は始発駅だから、座って帰れるんじゃない?
たくさんの人が電車を待ってるから、1~2本見送らないと座って帰れない。
特に川越市より下りの電車は、本数が少ない&「遠いから座って帰りたいな~」と待っている人がたくさんいるため、25分くらい待たないと座れる電車が来ない。みんな「遠くに帰るために座れる電車を待って座った」人たちなので、途中で座れる確率も低い。かといって立ちっぱなしもキツい。非常にイライラする。

「座って帰りたいから東上線!」というのは、あまりおすすめできません。待つ必要があるので。東上線の池袋駅ホームでは、席取りの熾烈な競争が繰り広げられています…

人身事故が多い

がっかりする男性

東上線は人身事故が多いことで地味に有名です。電車が止まっていて1~2時間の足止めを食らうことが年に数回あります。

家賃について

家賃が安いエリア

「準急」しか停まらない駅の中でも「新河岸」「上福岡」は、家賃が安いです。「川越市」より下りのエリアや、「坂戸」より下りのエリアも安いですが、池袋駅まで40~50分以上かかります。

家賃が高いエリア

成増駅
成増駅付近

副都心線に乗り換えできる「和光市」や、住所が東京で電車の本数も多い「成増~池袋」間は、家賃が高いです。「川越」は都内までそこそこ遠いですが、人気があるのか割高となっています。

エリアごとの雰囲気・住みやすさ

池袋~成増沿線

大山の商店街
大山駅前の商店街

電車の本数が多く、都内に出やすい、通勤・通学に便利なエリアです。お店もたくさんあって生活便利。東上線沿線の中でも、刺激的な生活が送れるでしょう。

でも住宅の密度が高く、ごちゃごちゃしていて窮屈な印象。ゆったり暮らしたい人向けではないかもしれませんが、一人暮らしにはおすすめです。

和光市

和光市駅南口周辺
和光市駅南口周辺

副都心線の乗り換えができます。「都内に出やすい場所がいいけど、家賃はおさえたい」という人に人気。

とはいえ「住みやすい!」とネットで紹介されることが多い影響か、家賃は東上線エリアの中でも高いです(都内に比べたら安いけど)。

川越より下り

坂戸駅
坂戸駅から見た景色。遠くに山も見える

ローカル色が濃くなってきます。知名度の高い川越駅周辺はお店が多く、普段の生活も、休日の散策も楽しいエリア。

鶴ヶ島、若葉、坂戸なども、駅周辺にスーパーや銀行があり、生活しやすいです。でも池袋まで出るのに時間がかかるため、都内への通勤・通学には不便。いっぽうで家賃はかなり安いですよ。周辺に大学がいくつかあるため、一人暮らしをしている人もけっこういます。

森林公園より下り

車窓から畑や山が見え、田舎感が濃くなってきます。電車の本数は少なく、お店も少ないです。自然が好きでゆったり暮らしたい人にはおすすめ。

東上線エリアは、車がなくても生活できる?
坂戸駅あたりまでは、駅から近いところに住めば、車なしでも大丈夫。坂戸駅より下りのエリアだと、駅周辺にお店が少ないから、一人暮らしでも車がないと不便。

他の路線との比較

京浜東北線
京浜東北線
埼玉県って、どこの沿線も似たようなものじゃない?
京浜東北線や埼京線のほうが、沿線の魅力は上(あくまで筆者の主観)。

京浜東北線

埼玉県で一番のショッピングスポットである「大宮」が始発駅です。「東京」「品川」「新橋」などのオフィス街があるので、都内への通勤に便利。「横浜」や「桜木町」で降りれば、中華街や赤レンガ倉庫、みなとみらいなど、神奈川県のおしゃれなスポットにも行けちゃいます。


埼京線

「大宮」が始発駅です。「池袋」「新宿」「渋谷」など、都内の大都市を網羅しているため、遊びにも通勤・通学にも便利です。

まとめ

東上線

東上線沿線の住みやすいポイントは、池袋まで1本で行けること、日常生活は不便ではないこと、京浜東北線や埼京線と比較して、家賃がそこそこ安いことでしょう。

ただお出かけスポットに乏しく、電車の利便性も「成増」より下りはいまひとつ。ショッピングが好きでオシャレな生活を送りたい人や、電車の使い勝手を重視する人には、あまりおすすめできません。

いっぽうでオシャレさよりも家賃の安さや、日常生活の便利さを優先したい人にはおすすめです。